NTTの光回線を利用した「光コラボレーションモデル(NTTコラボ)」を提供している事業者にとって、既存顧客との関係をどう維持し、深めていくかは重要なテーマです。回線は顧客に欠かせないインフラである一方、料金や条件を比較されやすく、接点が契約と更新のときだけになりがちです。

そこで検討したいのが、回線だけでなく、電話環境まで含めて顧客を支えるという提案です。この記事では、ゲートウェイ機器とPBXを組み合わせて、既存の法人顧客に電話環境まで提案する方法を整理します。

この記事でわかること

  • 回線契約だけでは顧客との接点が限られる理由
  • ゲートウェイ機器とPBXを組み合わせると、何を提案できるようになるか
  • 提案のきっかけになるタイミングと、3つの販売モデル
  • 提案の前に確認しておく点

回線契約だけでは、顧客との接点が限られる

回線に問題がなければ、契約後に顧客から相談を受ける機会は多くありません。その結果、顧客から見て「今の回線を使い続ける理由」が料金と契約条件だけになり、より安い条件が出てくれば乗り換えの検討対象になります。

一方で、法人顧客は回線のほかにも通信まわりの課題を抱えています。

  • ビジネスフォン・PBXの老朽化
  • 事務所の移転、拠点の追加
  • 外出先や在宅での電話対応、スマートフォンの内線利用
  • 社内ネットワークやセキュリティの見直し

「ビジネスフォンを入れ替えたい」「PBXが古くなった」と相談されたとき、自社で電話を扱っていなければ別の会社を紹介することになります。せっかく既存顧客から受けた相談が、他社の商談になってしまいます。「回線」だけでなく「電話も相談できる会社」になることが、接点を増やす出発点です。

ゲートウェイ機器とPBXを組み合わせると、何ができるか

電話環境の見直しで顧客がまず気にするのは、今の電話番号をそのまま使えるかどうかです。長く使ってきた代表番号は、名刺・封筒・Webサイト・取引先の登録に広く残っています。自治体の窓口や医療法人、財団・社団法人のように公的な立場のある組織や、歴史の長い企業ほど、番号を変えないことが前提になります。

ここで役に立つのが、回線を収容するゲートウェイ機器です。フォースネットは、NTTのフレッツ光回線上の光電話を収容する自社開発のVoIPゲートウェイ「vBOX」と、PBXの両方を自社で開発・提供しています。vBOXによるフレッツ光回線の収容は、これまで多数の導入実績があります。

この組み合わせで、次の提案ができるようになります。

  • 回線契約はそのまま:貴社(NTTコラボ事業者)とお客様の回線契約を変えずに、電話システムだけを新しくする構成を組めます
  • 電話番号を継続:今の番号を使い続けながら、ビジネスフォンからIP-PBXへ移行する提案ができます
  • 回線と電話をまとめて提案:「回線は自社、電話設備は別会社」だった顧客に、通信環境全体として提案できます
  • スマートフォンやPCの活用も相談できる:スマートフォン内線やPCソフトフォンは VoiceLine PBX の標準構成ではありませんが、お客様の運用に合わせて個別に確認します

番号の種別や現在の契約内容によって扱いが変わることがあるため、案件ごとに事前に確認します。考え方は 電話番号はそのまま使える?PBX入れ替え前に確認すること にまとめています。

電話の相談から、社内インフラ全体の見直しへ広がった例

当社では、「今の電話番号を継続できるPBXを入れたい」という相談をきっかけに、vBOXと当社のオンプレ型PBXで電話環境を構築した案件があります。その後、相談の範囲が電話にとどまらず、お客様の社内システムやネットワーク全体の見直しへ広がり、追加の商談につながりました。

電話は、顧客の事務所の中に入り、配線や機器の構成を見せてもらえる数少ない商材です。電話環境の相談を受けられると、その先のインフラやセキュリティの話にも進みやすくなります。

提案のきっかけになるタイミング

いきなり「PBXを入れ替えませんか」と切り出す必要はありません。顧客の電話環境に変化や課題がないかを確かめるところから始めます。

きっかけ確かめること
ビジネスフォンが古くなっている「今の電話設備は導入して何年くらいですか」と聞くだけで会話の入口になります
事務所を移転する今の設備を移設するのか、この機会に見直すのかを検討できます
拠点を増やす拠点をまたぐ内線や、番号の扱いをどうするかが課題になります
外出先・在宅で電話を受けたいスマートフォン内線は個別確認の項目です。使い方を聞き取り、向く構成を検討します
今の番号を変えたくない番号を継続したまま電話システムを新しくする構成を提案できます

主装置の保守終了が絡む場合は、保守終了案件で販売店が確認すべきこと もあわせてご覧ください。

3つの販売モデル

モデル① 新規の法人顧客に、回線と電話をセットで提案する

「インターネット回線だけでなく、電話環境もまとめてご提案します」という形です。回線と電話を別々に考えず、通信環境全体として提案できます。

モデル② 既存顧客への追加提案にする

すでにコラボ回線を契約している法人顧客に、電話システムの更新を提案します。入れ替え・老朽化・移転・拠点追加といった、上の表のタイミングが入口になります。回線契約と電話番号はそのままです。

モデル③ 電話の相談を入口に、関係を深める

重要なのは、PBXそのものを売ることだけではありません。顧客から「電話のことも相談したい」と言われる関係をつくることです。相談の入口が増えると、ネットワークやセキュリティなど回線以外の提案にもつなげやすくなります。

顧客単価や利益への影響は、料金・契約条件・販売方法によって変わります。取り扱いを始める前に、収益の組み立てを確認しておくことをおすすめします(→ 販売代理店向け:オンプレ型IP-PBXを提案するポイント)。

提案の進め方

  1. 既存顧客を整理する:法人顧客のうち、従業員数・拠点数・電話番号数・ビジネスフォンの有無、過去に電話設備の問い合わせがあったかを整理します
  2. 更新のタイミングを確かめる:「今の電話設備はいつ導入しましたか」「入れ替えの予定はありますか」と聞きます
  3. 課題を聞く:製品の説明から入らず、「今の電話環境で困っていることはありませんか」と聞きます
  4. 課題に合わせて提案する:移転、老朽化、外出先での電話対応など、聞き取った課題の解決策の一つとして提案します

提案の前に確認しておく点

  • 電話番号:番号の種別と現在の契約内容
  • 現在の電話設備:PBX・ビジネスフォン・電話機の構成と、流用できる範囲
  • 利用人数と内線数
  • スマートフォン・PCでの利用:外出先や在宅で使う場合の端末と通信環境
  • 拠点の数:本社のほか、支店・営業所でも使うかどうか
  • 導入・設定・運用の分担:初期設定、内線や番号の設定、導入後の問い合わせを誰が受けるか

回線や構成によって決まる項目は、顧客に「できます」と言い切る前に確認しておくと、後工程の手戻りを防げます。項目の全体像は PBX導入チェックリスト にまとめています。

VoiceLine PBX について

VoiceLine PBX は、社内に設置するオンプレ型のIP-PBXです。買い切りで、PBXソフトの利用料に月額課金がありません。NTTコラボ事業者にとっては、既存の回線顧客に電話システムの更新を提案するための商材として取り扱っていただけます。

初期構成の設計・設定は当社が支援し、貴社の施工・保守体制と組み合わせられます。デモや検証の進め方は、案件の内容を確認したうえで個別にご提案します。

クラウド型をご希望のお客様には、別製品の VoiceLine PBX クラウド版 があります。

※ VoiceLine PBX および VoiceLine PBX クラウド版は、現在「先行導入のご相談受付中」の段階です。製品機能の提供状態は 製品ページ をご確認ください。取引条件・サポート分担は、貴社の事業内容に応じて個別にご相談のうえ、環境確認後のお見積書または提案書でご案内します。

まとめ

  • 回線契約だけでは、顧客との接点が契約と更新のときに限られます
  • ゲートウェイ機器とPBXを組み合わせると、回線契約と電話番号を変えずに、電話環境の更新を提案できます
  • 入れ替え・移転・拠点追加・外出先での電話対応が、提案のきっかけになります
  • 目指すのは「PBXを売る」ことではなく、「電話のことも相談してもらえる関係」です

取り扱いの条件は 販売代理店・OEMのご案内 にまとめています。「既存顧客に提案したい」「自社のサービスと組み合わせて販売したい」「まずは内容を詳しく聞きたい」という場合は、お問い合わせ の「お問い合わせ種別」で「販売代理店について」をお選びください。